INTRODUCTION

生れて初めて愛を知った差別主義者は組織からの脱会を決意した。
だがその肌に刻まれた憎しみの象徴を、社会は決して許そうとしなかった―。

スキンヘッド、顔面に憎悪を象徴する無数のタトゥー。白人至上主義者に育てられ、差別と暴力に生きてきたブライオンは、シングルマザーのジュリーと出会い、これまでの悪行を悔いて新たな人生を築こうと決意する。だがそれを許さない組織からの執拗な脅迫、暴力は、容赦なくジュリーたちにも向けられていく・・・。2003年に米国で発足したレイシスト集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライオン・ワイドナーが辿った実話の映画化。新鋭監督ガイ・ナティーヴは、憎悪の円環からの脱却を図った男を軸に、レイシズムの非道、人間の再生、それを支える社会の寛容を鮮烈に描き出す。

本作の基となった短編がアカデミー賞®短編映画賞受賞。
現代社会に巣くうレイシズムの問題に正面から向き合った、衝撃の実話。

イスラエル出身、ユダヤ人のガイ・ナティーヴ監督は、過去の自分と決別するために計25回、16カ月に及ぶ過酷なタトゥー除去手術に挑んだブライオン・ワイドナーを追うTVドキュメンタリー「Erasing Hate」(11)に感銘を受け、この物語の長編映画化を思い立った。だが賛同する映画会社は現れず、製作資金を募ることを目的に貯金をはたいて同じテーマの短編『SKIN』(18)を製作。これが大きな反響を呼び、企画立ち上げから7年を経て長編『SKIN/スキン』が実現した。短編『SKIN』はのちに2019年アカデミー賞・短編映画賞を受賞している。憎悪のタトゥーにまみれた差別主義者ブライオン役を果敢に演じたのは『リトル・ダンサー』(00)、『ロケットマン』(19)のジェイミー・ベル。ダニエル・マクドナルド(『パティ・ケイク$』)がブライオンに新たな道を示す女性ジュリー役を演じ、ビル・キャンプ、ヴェラ・ファーミガらベテランが脇を固める。北米配給はA24が担当。役者陣の圧巻の演技を始め、現代社会に巣くう人種差別問題、1,000以上ものヘイト団体が確認されているアメリカの実状をリアルに描ききった監督の手腕は、大きな称賛を集めている。

〈受賞歴〉

2018年 トロント国際映画祭・国際映画批評家連盟賞 受賞
2019年 ベルリン国際映画祭・パノラマ部門正式出品・CICAEアワード ノミネート
2019年 ドーヴィル映画祭・審査員賞 ノミネート
2019年 トライベッカ映画祭
2019年 モンクレア映画祭
2019年 全州国際映画祭
2019年 シドニー映画祭
2019年 エディンバラ国際映画祭
2019年 イスキア映画祭
2019年 ポーランドTransatlantyk映画祭
2019年 プーラ映画祭
2019年 ジッフォーニ映画祭 正式出品

STORY

反ファシスト抗議を行う人々に、猛然と襲いかかるスキンヘッドの男たち。そのうちの一人の名は、ブライオン・“バブス”・ワイドナー(ジェイミー・ベル)。十代で親に見捨てられ、白人至上主義者グループを主宰するクレーガー(ビル・キャンプ)とシャリーン(ヴェラ・ファーミガ)に拾われ、実の子のように育てられたブライオンは、今やグループの幹部となり、筋金入りの差別主義者となっていた。タトゥーショップで働く彼の体には、鍵十字など、差別的なメッセージを込めたタトゥーが無数に刻まれている。だが、3人の幼い娘を育てるシングルマザーのジュリー(ダニエル・マクドナルド)との出会いをきっかけに、ブライオンはこれまでの自分の人生に迷いを感じ始める。グループを抜け、彼女と新たな生活を始めようと決意するが、前科とタトゥーが障害となり、なかなか仕事につけない。また彼の裏切りを許さないスレイヤー(ダニエル・ヘンシュオール)ら元仲間たちからは、日々脅迫が続いていた。家族の安全と自らの幸福との間で悩むブライオンに、反ヘイト団体を運営するダリル・L・ジェンキンス(マイク・コルター)は、転向を手助けしようと申し出る。ある裕福な女性が、彼のタトゥー除去に資金を提供するというのだ。過去の自分と決別するため、ブライオンは、計25回、16カ月に及ぶ除去手術に挑む。

REVIEW

白人至上主義のネオナチ一派から逃れようとすると実際にどのようなことが起こるかを伝えている。
本作の最大のポイントはタトゥーを消し去ったワイドナーの顔のインパクトだ。それは人間性の再生をあらわしている。

-Peter Bradshaw | The Guardian

『SKIN/スキン』は気分よく観ることのできる映画ではない。
だが我々は観るのだ。何度も観て、映画が終わった後も脳内で観続けているのだ。

-Nigel Andrews | Finacial Times

『SKIN/スキン』は外見も、心の底も変わろうとした男の、凄まじい物語だ。

-Richard Roeper | Chicago Sun-Times

ジェイミー・ベルはこの役にすべてを捧げ、肉体のすべてを駆使してブライオンの内なる怒りを表現している。

-Rich Cline | Shadows on the Wall

観る者の心を強くとらえ、胸糞の悪くなる、説得力に満ちた『SKIN/スキン』はあなたの心を離さない。

-Kaely Monahan | Whiskey and Popcorn

『SKIN/スキン』は最近の極右の台頭についての考察において、新聞の見出しの遥か先を行く素晴らしい仕事を成し遂げている。

-Linda Marric | The Jewish Chronicle

『SKIN/スキン』は容赦ないエネルギー、自信、情熱でもって語る。
ガイ・ナティーヴ監督の次回作が待ちきれない。

-Alex Saveliev | Film Threat

『SKIN/スキン』がとても恐ろしいのは、すべてが現実に基づいているということだ。

-Rick Bentley | Tribune News Service

CAST

ジェイミー・ベル|ブライオン・ワイドナー

Jamie Bell

1986年、イギリスのビリンガムに生まれる。子供の頃からバレエと演技を学び、2000年、スティーヴン・ダルドリー監督『リトル・ダンサー』(2000年)の主人公ビリー・エリオット役に抜擢される。本作の演技で英国アカデミー賞主演男優賞、英国インディペンデント映画賞新人俳優賞など数々の賞を受賞、10代にして世界的名声を得た。その後、『ディケンズのニコラス・ニックルビー』(ダグラス・マクグラス、2002年)、『キング・コング』(ピーター・ジャクソン、2005年)、『父親たちの星条旗』(クリント・イーストウッド、2006年)などに出演。デヴィッド・マッケンジー監督『Hallam Foe(原題)』(2007年)では英国インディペンデント映画賞と英国アカデミー賞(スコットランド)主演男優賞にノミネート。スティーヴン・スピルバーグ監督の3D映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』(2011年)では若き主人公タンタンの声を演じた。2017年、『リヴァプール、最後の恋』(ポール・マクギガン)の演技で英国アカデミー賞主演男優賞にノミネート。デクスター・フレッチャーが監督したエルトン・ジョンの伝記映画『ロケットマン』(2019年)では伝説的人物バーニー・トーピンを演じた。その他の出演作に『ジャンパー』(ダグ・リーマン、2008年)、『ジェーン・エア』(キャリー・フクナガ、2011年)、『崖っぷちの男』(アスガー・レス、2012年)、『スノーピアサー』(ポン・ジュノ、2013年)、『ニンフォマニアック』(ラース・フォン・トリアー、2013年)、『ファンタスティック・フォー』(ジョシュ・トランク、2015年)など。米国のテレビドラマ初出演となる『TURN: Washington’s Spies(原題)』(2014年〜2017年)では4シーズンにわたって主役を務めた。

ダニエル・マクドナルド|ジュリー・プライス

Danielle Macdonald

1991年、オーストラリアのシドニーに生まれる。18歳の時、俳優を志してロサンゼルスへ渡る。エレン・ペイジ、ブリット・マーリング、アレキサンダー・スカルスガルドらが出演した『ザ・イースト』(ザル・バトマングリ、2013年)で映画デビュー。2014年のトライベッカ映画祭でプレミア上映された『シークレット・デイ』(エイミー・バーグ)ではダイアン・レイン、ダコタ・ファニング、エリザベス・バンクスと共演。『アメリカン・ホラー・ストーリー:体験談』などのテレビドラマにゲスト出演し、Netflix製作のドラマ『easy イージー』にも出演した。2017年、ラッパーを目指すヒロイン役を演じた『パティ・ケイク$』(ジェレミー・ジャスパー)が、サンダンス映画祭で評判となり、彼女の名前を一躍有名にした。ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー小説を映画化した『ダンプリン』(アン・フレッチャー、2018年)ではジェニファー・アニストンと共演。サンドラ・ブロック主演、Netflix製作の終末スリラー『バード・ボックス』(スサンネ・ビア、2018年)や、トニ・コレット主演のNetflixミニシリーズ『アンビリーバブル たった1つの真実』(2019年)にも出演している。

ダニエル・ヘンシュオール|スレイヤー

Daniel Henshall

1982年、オーストラリアのシドニーに生まれる。実在の殺人犯ジョン・バンティングを演じた『スノータウン』(ジャスティン・カーゼル、2011年)がカンヌ映画祭の批評家週間で高く評価され、オーストラリア・アカデミー賞(AACTA Award)主演男優賞など数々の賞を受賞。その他の出演作に『ババドック~暗闇の魔物~』(ジェニファー・ケント、2014年)、『オクジャ/okja』(ポン・ジュノ、2017年)、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(ルパート・サンダーズ、2017年)など。トーマス・M・ライト監督『Acute Misfortune(原題)』(2017年)では、アーチボルド賞を受賞した悪名高いアーティスト、アダム・カレンを演じている。またテレビシリーズにも多数出演しており、ジェイミー・ベル主演の『TURN: Washington’s Spies(原題)』やジョン・カランらが監督を務めた超自然ミステリードラマ『Bloom(原題)』(2019年〜)などに出演している。

ビル・キャンプ|フレッド・クレーガー

Bill Camp

1961年、アメリカのマサチューセッツ州に生まれる。ジュリアード学院出身で、舞台、映画、テレビドラマで活躍するベテラン俳優。過去にトニー賞、OBIE賞、エリオット・ノートン賞、ドラマ・デスク賞、ボストン批評家協会賞など数々の賞にノミネート、受賞している。2017年にはHBOの人気テレビドラマ『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』で賢く熱い捜査官デニス・ボックス役を演じ、エミー賞(リミテッド・シリーズ部門助演男優賞)にノミネートされた。主な映画出演作に『パブリック・エネミーズ』(マイケル・マン、2009年)、『リンカーン』(スティーヴン・スピルバーグ、2012年)、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、2014年)、『荒野の誓い』(スコット・クーパー、2017年)、『ワイルドライフ』(ポール・ダノ、2018年)、『ジョーカー』(トッド・フィリップス、2019年)など。

マイク・コルター|ダリル・L・ジェンキンス

Mike Colter

1976年、アメリカのサウスカロライナ州に生まれる。クリント・イーストウッド監督『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)で映画初出演。その後、『グッド・ワイフ』(2009年〜2016年)、『ザ・フォロイング』(2013年〜2016年)、『エージェントX』(2015年)などのテレビシリーズに出演。その他の映画出演作に『ゼロ・ダーク・サーティ』(キャスリン・ビグロー、2012年)、『ガールズ・トリップ』(マルコム・D・リー、2017年)などがある。マーベルヒーローのルーク・ケイジ役としてよく知られ、マーベルとNetflixのパートナーシリーズ5作品中3作品(『Marvel ルーク・ケイジ』、『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』、『Marvel ザ・ディフェンダーズ』)に出演した。

ヴェラ・ファーミガ|シャリーン

Vera Farmiga

1973年、アメリカのニュージャージー州に生まれる。両親はウクライナ移民。1996年にブロードウェイで俳優としてデビューし、その後『Rose Hill(原題)』などのテレビ作品に出演。『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ、2006年)、『こわれゆく世界の中で』(アンソニー・ミンゲラ、2006年)などに出演後、2009年、ジョージ・クルーニーと共演した『マイレージ、マイライフ』(ジェイソン・ライトマン)の演技で、アカデミー賞、英国アカデミー賞、放送映画批評家協会賞、全米映画俳優組合賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。2011年にはインディペンデント映画『ハイヤー・グラウンド』を監督、主演。サンダンス映画祭を始め数々の賞を受賞した。その他の出演作に『縞模様のパジャマの少年』(エイサ・バターフィールド、2008年)、『死霊館』(ジェームズ・ワン、2013年)、『フロントランナー』(ジェイソン・ライトマン、2018年)、『囚われた国家』(ルパート・ワイアット、2019年、日本では2020年4月公開)などがある。

STAFF

ガイ・ナティーヴ|監督、脚本、製作

Guy Nattiv

1973年、イスラエルのテルアビブに生まれる。10年以上にわたり、コカ・コーラ、ダイエット・コーク、ネスレ、シュコダ、メルセデスなど、優れたコマーシャル作品を手がけた。2007年、エレズ・タドモーと共同監督した初の長編映画『Strangers(原題)』は、前々年のサンダンス映画祭で短編部門のグランプリに輝いた同名の短編作品を基にした作品。2008年のサンダンス映画祭とトライベッカ映画祭で上映され、アカデミー賞の最終選考に残り、世界中の20以上の映画祭で賞を受賞した。長編第2作『The Flood (Mabul)(原題)』(2010年)は2011年のベルリン映画祭、テッサロニキ映画祭、ハイファ映画祭でそれぞれ受賞、イスラエル・アカデミー賞では6部門にノミネートされた。第3作『Magic Men(原題)』(エレズ・タドモーと共同監督、2014年)はギリシャで撮影され2014年のパームスプリングス映画祭でプレミア上映、イスラエル・アカデミー賞の最優秀男優賞とマウイ映画祭の観客賞を受賞した。『SKIN/スキン』は米国での初長編作品となる。現在、妻でパートナー、俳優のジェイミー・レイ・ニューマンとロサンゼルス在住。

ジェイミー・レイ・ニューマン|製作

Jaime Ray Newman

1978年、アメリカのミシガン州デトロイトに生まれる。ニューヨークのアトランティック・シアター・カンパニーでオフ・ブロードウェイにデビューし、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(スティーヴン・スピルバーグ、2002年)や、テレビドラマ『CSI:科学捜査班』(2000年〜2015年)、『クリミナル・マインド』(2005年〜)、『私はラブ・リーガル』(2009年〜)などのテレビドラマに出演。Netflixとマーベルが共同製作する『Marvel パニッシャー』(2017年〜)にも出演している。夫のガイ・ナティーヴと共に短編『SKIN』長編『SKIN/スキン』を製作。映画出演の最新作はレフ・マイェフスキ監督、ジョシュ・ハートネット、ジョン・マルコヴィッチ主演の『Valley of the Gods(原題)』(2009年)。

アルノー・ポーティエ|撮影

Arnaud Potier

主な撮影作品に、メロニー・ロランとジャスティン・バーサが主演したラブコメ映画『恋は3,000マイルを越えて』(ジェニファー・デボルデール、2009年)や、アントン・イェルチン、ベレニス・マルローによる『5時から7時の恋人カンケイ』(ヴィクター・レヴィン、2014年)、ベン・フォスターとエル・ファニングが共演した『ガルヴェストン』(メラニー・ロラン、2018年)などがある。メラニー・ロラン監督作品では『Les adoptés(原題)』(2011年)『欲望に溺れて』(2017年)でも撮影を手がけ、『呼吸 友情と破壊』(2014年)ではリュミエール賞撮影賞にノミネートされた。また2016年にはトーマス・ビデガンが監督した『Les cowboys(原題)』でもリュミエール賞撮影賞にノミネートされている。

CREDIT

監督・脚本|ガイ・ナティーヴ
製作|ジェイミー・レイ・ニューマン、ガイ・ナティーヴ
撮影|アルノー・ポーティエ
編集|リー・パーシー、マイケル・テイラー
音楽|ダン・ローマー
出演|ジェイミー・ベル、ダニエル・マクドナルド、ダニエル・ヘンシュオール
   ビル・キャンプ、ルイーザ・クラウゼ、カイリー・ロジャーズ
   コルビ・ガネット、マイク・コルター、ヴェラ・ファーミガ
SKIN/スキン
2019年|アメリカ映画|カラー|DCP|118分|原題:SKIN
© 2019 SF Film, LLC. All Rights Reserved.

THEATER

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